カリフォルニア州に続いて、ニューヨーク州が 2035年までにガソリン車の新車販売を禁止する方針を発表しました。
先月29日木曜日、ニューヨーク州のホークル知事は、州内で販売される新車の乗用車について、2035年までに全て電気自動車など排気ガスを出さないゼロエミッションにすることを義務付ける方針を発表しました。ニューヨーク州の住民は「簡単に充電できない住環境の人もいるので、全ての人に義務化するのは難しいです。」と語りました。
これは事実上、2035年までに州内でガソリン車の新車販売を禁止するもので、スクールバスも対象となっており、州は全てのスクールバスを2035年までにゼロエミッションに置き換える方針です。充電ステーションが不足しているとの批判について、ホークル知事は急速充電ステーションを増設するとし「今後は充電に何時間もかかりません。急速充電器100器をすでに設置しました。」と語りました。
ニューヨーク州に先立ちカリフォルニア州では8月に、2035年までに新車乗用車をゼロエミッションにする規制を発表しています。専門家は電気自動車が増えた場合、充電により電力の供給が不安定になる可能性を指摘しています。
スタンフォード大学のラム・ラジャゴパール准教授は「充電が増える分、より多くの送電容量が必要です。」と語りました。スタンフォード大学の研究によると、地域で3分の1の世帯が一斉に電気自動車を午後11時に充電した場合、電力の供給は不安定になるということです。しかし、日中に職場などで充電する人が増えれば、夜の電力需要を抑えられるということです。
スタンフォード大学のラム・ラジャゴパール准教授は「誰もが職場で充電できるわけではありません。日中に充電できる場所が必要です。」と語りました。また、現在は、夜の方が電気料金が低く設定されていることから、専門家は、充電ステーションの増設と同時に日中の電気料金の調整が必要だとしています。
全米で最も厳しい環境規制が施行されているカリフォルニア州に準じて、全米17の州が自動車から排出される温室効果ガスの規制に乗り出しています。しかし、今回の規制についてはすぐに同等の規制に向けて動くのは、 ニューヨークに加えてワシントンやオレゴン、マサチューセッツ、バーモントの5州にとどまると見られています